2020年8月28日金曜日

育鵬社の公民教科書 やはり大問題です




 埼玉県教育委員会が、県立伊奈学園中学校(伊奈町)で来年度から
4年間使う歴史と公民の教科書について、引き続き育鵬社版にすると
決定しました。
 東京都や神奈川県が不採択にした判断とは異なる道を選んだようです…。


● 育鵬社教科書 「疑惑、説明するべき」
                県教委採択で市民団体批判 (東京)
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/51395 



 先日も書きましたが、育鵬社の公民と歴史の教科書はその問題の多さ
で以前から強く批判されてきました。

 特に憲法の扱われ方は、もはや「異常」です。
 大日本帝国憲法を異様に称賛して批判せず、その下でいかに基本的人
権が踏みにじられていたかも書いてありません。
 天皇主権から国民主権への大転換も書かないので、大日本国憲法と
日本国憲法が決定的にちがうものであることが、読んでいてヘタしたら
気づけないのです。

 さらに、戦争放棄については単なる米国による押しつけ的な記述しか
ありません…。
 端的にいって、有害です。
 結婚や出産を当然の前提とした人生設計を促す項目は、家族や結婚観
の多様性への配慮がまったくありません。「男女共同参画=男女の違い
を認めた上で互いに尊重して助け合う」という定義づけもあり、結局
「男らしさ」「女らしさ」の枠の押しつけを問題視しません。

 間違った知識を生徒に植え付けるという意味で教育上有害であること
はいうまでもありませんが、…この教科書どおりに覚えたら、大学受験
失敗しますよね。。。

 この教科書で学ばせられる生徒さんたちは、間違った知識や、普遍的
な人権感覚からかけ離れた世界観を植え付けられかねず、実質的に
「教育を受ける権利」が侵されてしまう、という懸念がぬぐえません。