ダーウィンを誤用してまで憲法改正を強引に正当化しようとして
大問題となった自民党の「#憲法改正 についてわかりやすくまとめた
特設サイト」。科学や論理に背を向けた姿勢を、まだ改めようとしません。
● 教えて!もやウィン 憲法改正ってなあに?
第3話 3つの柱
https://www.jimin.jp/kenpou/manga/third/
いわゆる「日本国憲法の3大原則」について解説しているのですが、
「基本的人権の尊重」についてこう書かれています。
<抜粋>
「人間が生まれながらにして持っている、人間らしく生きる権利を永久
に保障する」
「例えば、言論の自由だったり、職業選択の自由だったり、つまり法律
にふれたり、人に迷惑をかけない限り自由ってことで…」
<抜粋終わり>
基本的人権の尊重=「法律に触れない限り自由」 !?
基本的人権の尊重=「人に迷惑をかけない限り自由」 !?
民主主義国家であるはずの、この国の、政権与党が、こういう理解を
していることに、アゴがはずれそうです。
「法律に触れない限り人は自由」というのは、大日本帝国憲法下での
「自由」です。すなわち、自由は生まれながらにして持っているような
ものではなく、神聖不可侵の天皇からありがたくも頂戴するもの。
天皇が作る法律の範囲でだけ自由が許されるもの、という発想です。
だから治安維持法のような数々の治安立法で簡単に投獄され拷問を受ける
状況でも、「治安維持法が許す範囲内で自由があるじゃないか」となり
ます。
香港で国家安全法が施行され、たちまち言論統制がされていますが、
もやウィンの論理では「国家安全法が許す範囲で自由があるから基本的
人権は尊重されている」ことになります。
この論理がおかしくないわけがない。もやウィンは人権を「生まれなが
らにして持っている」と言いながら、「法律でどうとでも範囲を狭められ
るもの」と捻じ曲げています。
人に迷惑をかけなければ自由、というのも論外です。なにが誰にとって
迷惑になるかなんてまったく具体的でないし、騒音が迷惑だからデモは
NGですか?
基本的人権など権力の意のままに制限できるのだ、という発想だから
こそ、特定秘密保護法や共謀罪(テロ等準備罪)など数々の強大な破壊力
を持つ治安立法を作ってしまえるのだな、と改めて納得してしまいます。
自民党は今すぐ、この「もやウィン」シリーズを中止して、憲法の基本
から学んでください。強く、強く、望みます。