2020年7月25日土曜日

「ジャーナリズム信頼回復のための6つの提言」


 こちらの提言をご紹介します。必読です。

● ジャーナリズム信頼回復のための6つの提言
 
https://note.com/journalism2020/n/n3b4c1e0648e0




なぜマスコミ幹部は首相との会食をやめないのか?
     ―現役記者ら500人以上がメディア改革求める (志葉玲)
 https://news.yahoo.co.jp/byline/shivarei/20200722-00189380/
 





 国民(主権者)の知る権利を実現するために、権力を監視し批判する
マスメディア。TVや新聞、ラジオなどを通じてしか政治や社会の出来事
を知ることができない以上、マスメディアは国民の目であり耳です。

 そのマスメディアに対する信頼がゆらいでいます。

 中途半端な両論併記の記事にあれ?と思うことは少なくありません。
 記者会見での生ぬるい質問に「なんでもっと突っ込まないの!?」と
いらだつことも、しばしばです。
 財務省事務次官がテレビ局の記者にセクハラ行為をした事件の際には、
報道の世界での性差別がいかに横行しているか、ひどい有り様に目を
疑いました。
 そのあげくの、黒川検事長と記者との賭け麻雀。この事件が報じられた
時、番組コメンテーターやゲストとして登場した記者・ジャーナリストの
方々から、びっくりするほど多くの擁護論が出ました。よくやった、と
うらやむ声まで。
 報道の世界で、長年にわたる「ネタを取るためにプライベートで接近」
「夜討ち朝駆け」の文化が常識として染み付いた姿に、思わず途方に暮れ
ます。

 そのマスメディアのあり方を、なんとか立て直したいと志を高く持った
記者の方々が発表したのが、上記提言です。さまざまな圧力を無視できな
い中、こうした発信をした勇気に敬意を表します。国民の側からも、ジャー ナリズム精神あふれる記事や番組をしっかり応援し、そこにいる記者さんや 番組スタッフを励ましたい(逆に権力におもねる記事は厳しく批判する)。 そういうサイクルが、報道の自由が100%行使される社会を作り、キープ する唯一の道なのでは。


<一部抜粋>

 ジャーナリズム信頼回復のための6つの提言


●報道機関は権力と一線を画し、一丸となって、あらゆる公的機関にさら
なる情報公開の徹底を求める。具体的には、市民の知る権利の保障の一環
として開かれている記者会見など、公の場で責任ある発言をするよう求め、
公文書の保存と公開の徹底化を図るよう要請する。市民やフリーランス記
者に開かれ、外部によって検証可能な報道を増やすべく、組織の壁を超え
て改善を目指す。

●各報道機関は、社会からの信頼を取り戻すため、取材・編集手法に関する
報道倫理のガイドラインを制定し、公開する。その際、記者が萎縮して裏
取り取材を控えたり、調査報道の企画を躊躇したりしないよう、社会的な
信頼と困難な取材を両立できるようにしっかり説明を尽くす。また、組織
の不正をただすために声を上げた内部通報者や情報提供者が決して不利益
を被らない社会の実現を目指す。

●各報道機関は、社会から真に要請されているジャーナリズムの実現のため
に、当局取材に集中している現状の人員配置、およびその他取材全般に関わ
るリソースの配分を見直す。

●記者は、取材源を匿名にする場合は、匿名使用の必要性について上記ガイ
ドラインを参照する。とくに、権力者を安易に匿名化する一方、立場の弱い
市民らには実名を求めるような二重基準は認められないことに十分留意する

●現在批判されている取材慣行は、長時間労働の常態化につながっている。
この労働環境は、日本人男性中心の均質的な企業文化から生まれ、女性を
はじめ多様な立場の人たちの活躍を妨げてきた。こうした反省の上に立ち、
報道機関はもとより、メディア産業全体が、様々な属性や経歴の人を起用
し、多様性ある言論・表現空間の実現を目指す。

●これらの施策について、過去の報道の検証も踏まえた記者教育ならびに
多様性を尊重する倫理研修を強化すると共に、読者・視聴者や外部識者と
の意見交換の場を増やすことによって報道機関の説明責任を果たす。