今まで一度もなかった「大規模災害などで国政選挙が長期間できなく
なる」事態を想定して、例外的に国会議員の任期延長を認める規定を
設けるべきだー…という改憲案が出ています。
自民党の改憲4項目の中に入っていたもので、これに賛成する政党も、
ちらほら出てきています…。
● (憲法を考える)国会議員の任期延長、必要か
長期間選挙ができなくなったら…広がる改憲論 (朝日)
https://www.asahi.com/articles/DA3S15310300.html
「緊急事態条項、とりわけ議員任期の特例延長の必要性については
本審査会でおおむね合意が得られている。具体的な改正案について
議論すべきだ」という国民民主党の玉木雄一郎議員の発言に対し、
打越さく良議員が批判しました。
<一部引用>
立憲民主の打越さく良議員が、任期延長に関する改憲論を批判した。
「憲法54条には参議院の緊急集会が規定されている。にもかかわらず、
災害緊急事態における国会議員の任期延長を求めることは本院議員として
の自己否定ではないか。憲法上の参議院の存在価値を著しく毀損するもの
として看過できない」
憲法54条では、衆議院が解散されているときに緊急の必要性が生じた
場合、内閣が参院の緊急集会を求めることができる、という仕組みになっ
ている。打越議員の発言は、任期延長論は、緊急集会という憲法上の制度
を軽んじるもので、二院制の趣旨からも問題が大きいという提起だ。
<引用終わり>
非常事態が起きたら!と言われれば、不安になります。しかしその改憲
で手放すのは、貴重な参政権であることは、決して忘れてはいけないこと
です。非常事態だからこそ、「この政府、この政治家たちに、この先の
舵取りを任せられるのか?」と国民がしっかり選択すべきだ、とも考えら
れます。
<一部引用>
統治機構に詳しい只野雅人・一橋大教授(憲法)は、「長期間選挙が
できないという過去に経験したことのない極めて例外的な事態を想定して
おり、改憲を狙った政治的な議論だ」と指摘。「解散のあとで大地震が
起きても、選挙を延長して対応すればすむ話だ」と疑問を投げかける。
<引用終わり>
緊急事態条項とともに、この任期延長の改憲案についても、「ほんとう
にそれ必要なの?」と冷静に見極めることが肝要です。
なによりも、コロナ禍という前代未聞の非常事態においてすら臨時国会
を開かなかった(憲法53条をあからさまに無視した)与党が、「非常
事態には任期延長してしっかり国会が対処できるように」とか語っている
ことのおかしさは、どうしたって気になりますね⚠