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2019年5月25日土曜日
「人権擁護週間」「人権啓発」… 人権は「思いやり」ではありません。
「みんなで築こう 人権の世紀」
「ひろげよう 人権」
法務省の「人権擁護活動」のポスターや標語、似たものは
各自治体でも作られていますね。あちこちで見かけるので、
これを眺めて生活していると「人権尊重=お互い思いやる気持ち」
だと誤解する人が少なくないのでは、と不安になります。
法務省の活動は、もっぱら各種の差別や児童虐待、いじめなど
「市民と市民の間で尊厳が脅かされるケース」を念頭に置いている
ようです。
こういう問題を解消するために個々の市民の差別する心への訴え
かけは確かに大事ですが、人権が、そもそも国家権力に対抗する概念
で、国家権力から守られなければならないものであるという「基本形」
をしっかり学ぶ機会がないと、真の「人権」の教育にはなりません。
公立学校での「君が代」斉唱の強制、えん罪、ハンセン病患者の
強制隔離など、国家による人権侵害や差別の“教材”は絶えません。
国家権力という巨大な力に対抗するために「人権」という概念が
生まれたことを、まず理解しなければ、人権と道徳的な「思いやり」
の混同が起きかねません。
法務省という国家機関に「国家による人権侵害を許さない」キャン
ペーンを張ってくれというのもムリなお願いかもしれませんが、
せめて人権の概念をきっちり教えること、決して「人権=思いやり」
ではないことを、教育現場などでは確認して頂きたいなと強く願い
ます。
「どう教えたらいいのか分からない」と困ったら、ぜひあすわか
にご相談を☆