2017年1月9日月曜日

やや日めくり憲法 19条 共謀罪とも関係します

日本国憲法 19条(思想良心の自由)
 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。



【意味】「思想及び良心」とは、世界観や人生観、主義・主張など、
人それぞれの考え方や、何を正しいと思うか、など。
 「これを侵してはならない」つまり、心の中でどう考えようが絶対自由だ!


 心の中で、どんな妄想をしようが、何を正しいと思おうが、今の政治を
批判しようが、自由なんです。一人一人の意見のもとになる、とっても大切な
「思想良心の自由」。

 そんなの自由に決まってるやん!と思うかもしれません。
 なので、諸外国の憲法ではあんまり規定されてません。
 でも日本では、戦前の治安維持法のように、時の政治を批判する思想を
持っているというだけで処罰・拷問されたことから、あ・え・て、憲法で
保障しています。
 
 この人権は、「国家は、国民が何を考えているか、どんな思想か、むりやり
言わせてはならない」という意味も含んでいます。なので、卒業式や入学式で
教員に「必ず起立して君が代を歌え」という命令は、この人権を侵害する行為
だといえます。
 「君が代」という歌をどうしても受け入れられない、自分の思想や信条から
かけ離れている歌だとかんがえる教員にとっては、それに抗議したり拒否
したりすることは、「胸に秘めていた君が代への考えを、公表せざるをえない
立場に追い込まれる」ことです。思想良心を胸に秘めておける自由を奪われる
のです。


 最近、政府が「共謀罪」法案を国会へ提出する方針だと報道されています。
 共謀罪とは、団体の活動として一定の犯罪について合意(共謀)するだけで、
実際にその犯罪を行わなくても処罰されるというもの。対象となる犯罪は、
懲役・禁錮4年以上の犯罪で、合計すれば676にもなるそうです。

 政府は、東京オリンピックを目前にテロ対策強化が必要で、国際組織犯罪
防止条約を批准するために共謀罪などの法整備が必要と説明しているようです。
 しかし、この条約は国際的な組織犯罪防止が目的であり、テロ対策は直接
関係しません。また、既に重大犯罪には例外的に共謀罪が認められているので、
必要性も乏しいです。


 それより、心の中のことを話しただけで犯罪とされてしまう共謀罪は、
思想良心の自由を侵害するものといえます。治安維持法と同じだと指摘される
ゆえんです。

 複数人が話し合ったりして共謀することが犯罪ですから、捜査としては話し
合いの場面をコッソリ撮影・録音することが重要となります。
  どこで見られたり聞かれたりしているか分からない、思っていることすら
口にできない嫌な世の中になってしまいますよね。

 そのため、これまでも大反対にあって、3回も廃案とされてきた共謀罪。
 多くの市民団体だけでなく、弁護士会(日本弁護士連合会)も反対しています。
 共謀罪なんて嫌だ、反対だと声をあげて阻止しなければ。どうか、声をあげて
いる人には、応援をお願いします。
 共謀罪が廃案となるように私たちそれぞれが「不断の努力」をしましょう。



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