2017年1月9日月曜日

やや日めくり憲法 18条


日本国憲法18条(奴隷的拘束及び苦役の禁止)
 何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。
 又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反
する苦役に服させられない。

憲法18条は、だれも奴隷のようにとらわれたりしません、犯罪をした場合
以外はムリヤリしたくない仕事をさせられません、ということを保障します。


「奴隷」は、物と同じように他人に所有され、自由も名誉もなく、ムリヤリ
働かされます。そもそも人間あつかいされない…人生まっくらになっちゃう感じが
しますね💦

 「奴隷」とまでいかなくても、ムリヤリしたくない仕事をさせられるとしたら、
やっぱり人生、灰色…。



 「奴隷」のように扱われないっていうことや、ムリヤリしたくない仕事を
させられないっていうことは、私たちが自分らしく幸せに生きていための基本中の
基本です。

 日本国憲法の目的は、私たち一人ひとりが個人として尊重され、それぞれが
自由に幸せを求めて生きられる社会を作るということなので、憲法18条の保障は
当たり前、大前提なんですね。


日本国憲法のもとで暮らす私たちは、憲法18条が空気のように当たり前に
なっています。

 でも、歴史をみると、奴隷制度は、昔、多くの国でありましたし、アメリカでも
19世紀後半まであったのです。

 また、日本でも、戦前は、徴兵制で男性がムリヤリ兵士として戦争に行かされ
たり、勤労動員で女性や学生がムリヤリ軍需工場などで働かされたりしていたの
です。朝鮮半島から多くの朝鮮人がむりやり日本に連行され、徴用工として
奴隷同然の境遇で働かされていたわけです。
 こんなこと、二度と繰り返しちゃいけない。
 18条には、その深い反省と強い決意が込められています。

 
 そして、最近…憲法9条や立憲主義に反すると反対の声が上がる中で、安
保法制が変えられ、集団的自衛権の行使が認められるなどしました。

武器輸出も解禁されました。

 自民党の改憲草案では、平和主義が否定され、国防軍が創設されたりしています。
徴兵制については、改憲草案をつくった自民党の内部で意見が割れており、
「意に反する苦役にあたるから徴兵制はとらない」という人もいれば、「意に反する
苦役にあたらない」という人もいるようです。

いずれにしても、戦争の足音が近づいていることは確かなようです。

 
 だから、もう、徴兵制や勤労動員も、過去のものとは言い切れない…
そんなのはイヤだ!と思ったら、
子どもをそんな目にあわせるわけにはいかない!と思ったら、
声をあげるときです。

それが「不断の努力」です。

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