第13条〔個人の尊重と公共の福祉〕
すべて国民は、個人として尊重される。
生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利に
ついては、公共の福祉に反しない限り、立法その他
の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
① あなたは「個人」!だれもがかけがえのない存在。
中世ヨーロッパ時代、「人」の概念には、奴隷、自由人、市民とか、
いろんな身分が含まれていました。
そこには序列があり、「最高の価値」を持てたのは、ごく一握りの王族だけ。
そんなのおかしいですね。
一人ひとり、生まれたときからかけがえのない価値があり、大事にされなけ
ればならない。
誰もが「自分らしく、自分だけのオンリーワンの人生を歩める。歩んで行っていい。そういう「誰もが大事にされ、自分なりの人生を自由に
歩める」社会が構築されなければならない。
この考えが源になり、国民は憲法を定め、国家権力を縛ることで、彼らの自由
と権利を保障することにしました(近代立憲主義)。
日本国憲法13条も誰もが「個人」として尊重されるんだ、と規定している
わけです。
「人」ではなく「個人」。個性(その人らしさ)をもったかけがえのない存在という意味が込められています。
②あなたの利益は「全体」のためでない!
あなたの利益はあなた「個人」のもの。
だから、社会や集団「全体」のために自分の利益を犠牲にする必要はあり
ません。
社会に奉仕するために生まれてきたわけでもなく、国に人生を捧げるために生きているわけでもない。一人ひとりの自分らしい人生以上に大切なものは
ありません。
③他人も「個人」。だから「公共の福祉」!
だれもがかけがえのない価値を持っているのですから、他人の命や人権を
無視してはいけません。
他人も「個人」として尊重されているのですから。
そこで憲法は、「公共の福祉」の範囲で、自由や権利を保障しています。
誰かと誰かの自由や人権が衝突してしまったら、どちらか、あるいは両方の
人権を少し制限してお互い気持ちよく生きられるように調整しなければなりま
せん。それも当たり前。
④みんなそれぞれの幸福追求権がある!
一人ひとり違う考え方をもっているから、何が幸福かもそれぞれ違います
よね。
そこで、憲法は、みんなそれぞれの価値観に基づいて自分の幸せを追求する
権利を保障しています。自分だけの人生を自由に歩めます。
⑤憲法の究極の目的は「個人の尊重」!
憲法は、(a)基本的人権の尊重、(b)国民主権、(c)平和主義を三大原理
としています。
実は、これらは全て、13条の「個人の尊重」を目的にしています。
個人を尊重にするには、
(a)1人1人の権利自由が守られなければなりません。
(b)1人1人の政治意思が等しく反映されなければなりません。
(c)国のための数として扱われてしまう軍隊や戦争はあってはなりません。
13条は、憲法そのものの究極の目的なのです。
☆みんな違ってみんないい!
☆あなたはこの世にあなたしかいない、だから素晴らしい!
☆もともと特別なオンリーワン!