2017年7月11日火曜日

共謀罪(テロ等準備罪)が施行されました。心の支配などぜったいに許しません。


 7月11日になりました。
 今日は共謀罪(テロ等準備罪)の施行日。
 ついに、戦後最悪の治安立法が、力を持って動き始めます。

 政府・与党がどんなに「時間が経てばそのうち国民も忘れるだろう」と
バカにしようと、私たちは忘れません。
 国連の条約を結ぶためだという「目的」は、まるでウソでした。他でもない
国連の特別報告者が「その法律マズいでしょ」と警告したのですから!

 組織的犯罪集団だけが対象だと政府は言いますが、論理必然的に
「誰がテロリストで誰が一般市民なのかパっと見区別つかないから、
とりあえず国民全員を監視する」ことになります。
 単なる労組でも、単なる人権団体でも、単なる住民団体でも、「無害な
フリして、実は犯罪を企ててるだろう!」と検挙できてしまう余地を、
「あえて」そのままにして成立させたのは、この法律の真の目的が、
まさに「市民運動への恫喝」にあるからなのでは、という疑念は確信に
近づきつつあります。

 成立した6月15日と並んで、刑事法の体系が大きく崩れ、戦後民主主義
の歴史が大きく傷ついてしまった今日という施行日。まずは、改めて、
あすわかのメッセージをぜひお読み下さい。


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 共謀罪(テロ等準備罪)が作られた今、「これからどうすればいいの」と
震えるすべての方へ。


 どうか、けっして、萎縮しないで下さい。
 その震え、その不安こそが権力の狙いなのですから。

 私たちには自由にものを考え、表現する自由があります。
 心の中を誰にも覗かれない自由があります。
 憲法に違反する共謀罪のせいで、皆さんが自発的に自由を手放したら、
永遠にこの国の民主主義は帰ってきません。
 一人ひとりが考え、表現し続けることは、「共謀罪」を運用させずに死文化
させる大きな圧力になります。

 それから、万が一、おかしな政治に声を上げる市民が共謀罪で捜索されたり
逮捕されたりしても、けっして「犯罪者」扱いしないでください。
 テロ等準備罪というまがまがしい名称で、「もの言う市民」を反社会的な存在
かのようにレッテル貼りする手口に乗せられたら、排除を恐れてみんな考える
ことを止めてしまいます。
 自由に政治を批判してなにが悪い、という風を吹かせ続けましょう。


 国民の心を侵すことになんのためらいもなく、同法案に賛成した政府・与党、
すべての国会議員を、私たちは忘れません。
 全身の血が沸くほどの怒りをもって、あなたたちを許しません。
 いくらでも濫用できる条文で「物言う市民」を恫喝する現政権に、民主主義
国家の舵を取る資格はありません。


 落胆、やりきれない思い、徒労感。すべての重い気持ちで押しつぶされそう
になっているすべての人へ。
 それでも希望はあるのです。
 あなたがその怒りを前向きなエネルギーに変えてくれる限り!

 私たちはいまある自由と、自由でいられる社会を手放したくありません。
 子どもたちの尊厳と自由も、穏やかな民主主義の社会も、手放すつもりは
ありません。
 自由を行使し続けることでしか、自由は守り抜けない――憲法が問いかける
「不断の努力」の覚悟を、「彼ら」に見せつけましょう。


 私たちあすわか570名は法律家として、主権者として、「不断の努力」で
共謀罪を廃止させることを誓います。