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2020年5月13日水曜日
黒川検事長の定年延長 議事録なし!
《ことのあらまし》
東京高検検事長・黒川弘務氏の定年を、国家公務員法を適用して
延長するという閣議決定。
国家公務員法の適用がありえないことは、検察庁法に検察官独自
の定年規定があることや、国会での政府答弁からも明らかでした。
「法解釈の変更」だとして国家公務員法を適用すると決めた閣議
決定は、事実上の法改正に等しく、国会の立法権をいくらでも内閣
が奪える、三権分立の崩壊です。
しかも、その法解釈の変更を容認したという法務省と人事院の
「協議文書」なるものには日付がなく、人事院は「正式な決裁が
なかった」といい法務省は「口頭の決裁を経た」と答弁。
「口頭の決裁」なんていうものがあり得るはずもなく、法治国家
そのものの終焉になりかねない事態になっています。
《議事録が無い。。。!?》
森法務大臣によると、
2019年12月ごろから「検察官に定年延長は適用されない」と
の解釈を再検討し
→ 森法相が2020年1月17日に「口頭で」解釈変更を決裁し、
→ 1月21日に内閣法制局、1月24日に人事院からそれぞれ
「異論はない」との趣旨の回答を得て、
→ この解釈変更に基づき、政府は1月31日の閣議で黒川氏の
定年を延長した。
「だが、4月22日に開示された文書にはこうした議論の経緯を示す
記載は一切なかった。」
● 検察定年延長「議事録」なし 解釈変更打ち合わせ
法務省「決裁は口頭、文書なし」(毎日)
https://mainichi.jp/articles/20200512/k00/00m/010/180000c
意思決定の過程を議事録に残す。社会の基本ルールが、いとも簡単に
壊されていくことに、恐怖を覚えませんか?
どこの企業よりも厳しくルールが守られていたであろう官庁で、
公務員が、こうしたルール破りを率先してやっているという事実。
議事録がなければ、だれがいつどのような議論を経てそのような
結論に至ったのか、何の証拠もありません。
数十年後、あるいは数百年後、国民が振り返って、この出来事を
検証する際、なんの手がかりもない。検証不能なのです。国民にそんな
の調べられてたまるか、という愚弄しきった思惑しか感じません。
私たちが日本史の授業で習う奈良や平安の政治の出来事も、公文書が
しっかり残されていたからこそ、学べる。1000年以上前から官僚が
続けてきたことが、今、葬り去られようとしている。
どれだけ歴史に対する、国家に対する冒とくか、分かるかと思います。
公文書の改ざんからしても、文書なき決裁からしても、現政権は
とにかく「記録を残そう」という気が全くありません。
そもそも「話し合う」気がない、からなのではないでしょうか。
すべて首相と側近の思いつき・独断で結論を決め、その結論にたどり
着けるように各大臣・省庁がつじつまを合わせる。最近の一斉休校に
せよアベノマスクにせよ、そんな行動様式が目立ちます。
この国は、加速度的に民主主義から、いえ、近代国家から、“脱出”
しつつあります。
そんな首相や政権に、自分や大切な人のこれからの人生・未来・命を
預けていられますか?