日本学術会議への人事介入の件で、
佐藤康宏東大名誉教授が、文化庁の登録美術品調査研究協力者会議の
を“抗議の辞任”した、との報道がありました。
● 【独自】「首相の違法行為」学術会議任命拒否に抗議し辞任
東大名誉教授が文化庁の会議座長を (東京)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/74395
佐藤氏は「菅首相や杉田和博官房副長官は、一貫して戦争目的の科学
研究に慎重な姿勢を示してきた学術会議を邪魔な存在とみなし、特定
秘密保護法や安保関連法に異を唱えてきた6人を意図して排除した」と
指摘。「任命拒否は、大学やその他の研究機関を軍事研究に向かわせよう
という明確な目的をもって行われた。官邸は、法を犯してでも人事に介入
し、学術研究を政府の意思に従わせようとしている」とみる。
<抜粋終わり>
安倍政権を忠実に継承した現政権の「異論を許さない」強硬な性格を、
するどく言い当てています。
法の解釈をひっくり返してでも。憲法を無視してでも。
法よりも、自己の執念を優先させる、およそ法治国家の権力とは思え
ない手法です。
また、佐藤名誉教授は記事中でこのようにも述べています。
「拒否された6人の教授の自由を守らないことは、いくらでも学問の
自由を時の政権に売り渡すことになる。首相の違法行為を許せば、
研究者だけの問題にとどまらず、芸術家やメディアを含め、あらゆる
表現者、そして市民にも確実に影響を及ぼすものになるだろう」
まさに、常々あすわかFBでも繰り返し指摘してきたことです。
私たち主権者は、どんなに「自分は学問ともアカデミーとも無縁」
と思っても、「だからこの事件は自分には関係ない」と考えてはいけ
ないのです。
「ナチスが共産主義者を攻撃したとき…」から始まる、いわゆる
“マルティン・ニーメラーの警句”は広く知れ渡っていますが、日本
学術会議への人事介入を目の当たりにした時、すばやくこの警句を
思い出しましたか?
次に狙われるのは、自分かもしれない。そう思わなければならない
時です。
『発端に抵抗せよ』