生活保護を申請したとき、自治体の福祉事務所が申請者の親族に
連絡して、援助ができないか確認する「扶養照会」が極めて頻繁に
横行しています。
それがイヤで、生活保護申請をためらう人がとてもたくさんいます。
(親戚から仕送りなどの扶養が行われていなくても、生活保護の受給
は可能です!)
行政の執拗な、嫌がらせのような「扶養照会」をやめるよう、弁護士
や支援団体はずっと前から行政に申し入れてきました。
その努力が少しだけ実り、厚生労働省が「扶養照会」について、照会
を拒む申請者の意向を尊重するよう求める通知を自治体に出しました。
● 生活保護、「親族照会」は申請者の意向尊重を
厚労省が新通知、支援団体「大きな前進」 (東京)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/96687
<一部抜粋>
福祉事務所の職員が実務で参照する生活保護手帳別冊問答集に
「要保護者が扶養照会を拒んでいる」場合には「その理由について
特に丁寧に聞き取り」を行って、親族が「扶養義務履行が果たせ
ない者」に該当するか否かという観点から検討するよう求めた。
弁護士や有識者らでつくる生活保護問題対策全国会議の小久保哲郎
事務局長は「これまで申請する当事者の意思は確認の対象になって
いなかった。不要な扶養照会を相当減らせる」と指摘。その上で
「われわれは申請者が事前に承諾した場合に限ることを要望しており、
このレベルまで行ってほしい」と、一層の改善を厚労省に求めた。
<抜粋終わり>
困窮者の命がかかる生活保護の制度を、だれもが利用しやすいものに
することこそ行政の使命。それを水際作戦だの扶養照会だので何重にも
トラップを仕掛けて申請させまいとしてきた対応には、許しがたいもの
があります。
コロナ禍で突然職を失ったり倒産に追い込まれたり、困窮する人が
急増しています。追いつめられている人に、もっと柔軟に、もっと簡便
に利用できる生活保護制度を求めていきましょう。