「日本人世帯の平均収入を上回る水準」の収入がなければ永住
許可を出さない、という入管庁の排外的な指針改定が、日本社会
ないし日本で生きる私たちの生活にもたらすダメージは計り知れ
ません。外国人の方々の人権を押しつぶす政治は、同時に私たち
「日本人」の人権もどんどん押しつぶします。
すでに外国人労働者に支えてもらわなければ成り立たない社会
になっているのに、その大部分を追い出すかのような入管行政は、
結局国民全体を追いつめます。
「こんな厳しい条件クリアできる外国人なんてほとんどいない
じゃん!」という点、移住連の声明が明快に指摘しているので
ご紹介します。
移住連
<永住許可に関するガイドラインの厳格化に強く反対し、撤回を求める声明>
https://migrants.jp/news/voice/20260807.html
<一部引用>
独立生計要件について新ガイドライン案は、「現在及び将来において
自活可能と認められる必要があり、日本人と同等水準以上の経済条件
が求められる」としつつ、「申請者の属する世帯年収の額が、世帯人数
に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準」であることを求めると
しています。厚生労働省の2025年の国民生活基礎調査によると、全世帯
の平均所得金額は575.2万円ですが、所得金額階級別に世帯数の相対度
数分布をみると、多いのは「200~300万円未満」(13.5%)、「300~
400 万円未満」(13.0%)、「100~200万円未満」(12.2%)であり、
平均所得金額575.2万円以下の割合は61.5%となっています。つまり、
「日本人世帯の平均収入を上回る水準」は、大多数の世帯よりも高い
水準であり、多くの日本人と同程度の収入を得ている人でも、この
水準を満たすことができません。外国籍者の中には、在留資格「特定
技能」や「介護」の人はもちろん、「定住者」にも、製造業、建設、
農林水産業、介護等の人手不足の分野で働き、日本社会を支えている人
が多くいますが、こうした人が働く業界の賃金水準では「平均収入」
には届かず、永住資格の取得は極めて困難になります。
さらに、新ガイドライン案は、「日本人世帯の平均収入を上回る年収
水準で30年間働き、その期間、厚生年金に加入していた場合において
将来受給可能な年金の見込額に達しているか」を考慮要素とすると
します。これでは、収入が低い時期があった人、国民年金の期間が
あった人、来日の時期が遅い人等は永住許可を得ることが基本的に
不可能となります。
世帯の平均収入を上回らなくとも現在および将来において自活
することは言うまでもなく十分に可能であり、「現在及び将来に
おいて自活可能」であることについて、これほど厳しい要件を課す
ことは不要かつ明らかに行き過ぎです。日本社会に定着して真面目
に生活する外国籍者の大多数が除外されることになり、また、法の
求める独立生計要件の解釈としておよそ不合理であり、法律による
行政の原理にも反します。
<引用終わり>
「長く働いてもらいたいけど永住許可なんか出さないよ」という
冷淡で排外的な入管行政が続けば、当然、日本に魅力を感じる
外国人は減り、日本から去るでしょうし、新たに日本に来たいと
いう人もいなくなるでしょう。
そのような社会の破綻を招く差別的な行政を支持することはできません。
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