入管が公表した「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」。
根拠不明の、外国人差別的に満ちた発想ベースにした策定で、権力が
自ら排外主義・外国人差別の音頭をとるも同然です。
外国人も人間であり、人権があります。難民条約や国連人権規約の締約国
である日本が、なりふり構わず外国人を犯罪者予備軍かのように扱う暴力的
な政策を進めることは、人道的にも許されず、国際社会からの信頼は失墜
しかねません。
東京弁護士会の会長声明をご紹介します。ぜひお読みください。
まだまだ知識が足りないなぁ、という方にとっても、学ぶ入り口になります。
東京弁護士会
<「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」に抗議し、
差別と偏見のない多文化共生社会の実現を求める会長声明>
https://www.toben.or.jp/message/seimei/post-765.html
<一部引用>
「ルールを守らない外国人」という安易な否定的表現を政府があえて
用いることにより、日本に在留する外国人全体が排外主義と差別に
晒されるリスクが増大することが想定される。そして、これがヘイトスピーチ
をはじめとする人権侵害を助長し、ひいては日本社会の分断へとつながっていく
ことが強く懸念される。
さらに、入管庁がゼロプランで打ち出している具体的施策の中では、収容や
送還の対象として難民申請者に焦点が当てられている。日本の極めて不透明な
難民認定制度と極めて低い難民認定率の下においては、迫害の危険のある出身国に
難民申請者の送還が強行されるリスクが大きいといわざるを得ず、難民条約や拷問
等禁止条約に定めるノン・ルフールマン(不送還)原則に違反する事態の発生が
危惧される。
また、難民申請者以外でも、様々な事情により出身国への帰国ができず、
あるいは日本での在留継続を必要とする当事者が様々な類型で存在するが、
ゼロプランによってこれら人権・人道上の配慮を要する当事者の収容や送還が
強行されるおそれも増大している。
このように、ゼロプランについては、その策定根拠自体に強い疑念がある上に、
その実施によって当事者と日本社会に取返しのつかない悪影響をもたらす懸念が
あることから、当会はゼロプランの策定と実施に強く反対する。
むしろ、今こそ必要なのは、外国人の人権が保障されるとともに多様性が尊重
される社会である。
<引用終わり>