ほかのエリアではどうなのか分かりませんが、少なくとも
東京では、夏がフェードアウトどころかシャッターを閉めた
ような去り方をしました…涼しいというか、肌寒くありません
か(^^;)?
さて、今日は9月5日ですので95条を見てみましょう。
<日本国憲法95条>
一の地方公共団体のみに適用される特別法は,
法律の定めるところにより,その地方公共団体
の住民の投票においてその過半数の同意を得な
ければ、国会は,これを制定することができない。
簡単にいえば、特定の地方公共団体にだけ適用される,いわゆる
「地方自治特別法」というものを作る際には,住民投票で過半数の
同意がいりますよ,ということが書かれています。
法律を自由に作り放題,ということでは,各地方自治体が有する
「地方自治権」が侵害されるおそれがあること,また,地方公共
団体の個性を尊重することなどがこの条文の趣旨といわれています。
が作られたことってあるの?」というのが湧いてくるかと。
実は、これがあるんです!
代表的なものとして「広島平和記念都市建設法」を紹介します。
税収の激減により,困難を極める状況でした。
広島市は国に対して各種の援助を要望しましたが,他にも深刻な
被害を受けた都市が多数ある中で,広島市だけに特別な財政的援助
を与える,という決定はなかなかされませんでした。
そこで広島で考えられたのが,この憲法第95条による特別法の
制定です。
広島市、市議会、広島選出国会議員など多くの方々の努力により,
1949年5月,特別法「広島平和記念都市建設法」が衆参両院満場
一致で可決されました。
条文にあるとおり,特別法の制定のためにはその地方公共団体の
住民投票で過半数の同意を得ることが必要であるため,同年の7月
7日に住民投票が行われ、圧倒的多数の賛成を得たようです。
広島市では「この法律により広島市を世界平和のシンボルとして
建設することが国家的事業として位置づけられた」として,ウェブ
サイト等で制定の経緯等につき詳しい解説がなされています。
同様に「○○都市建設法」が制定されており,あたらしい憲法を身近
で活かそう!というムードが全国にあったことがうかがえますね。
ことについて、こんな大変な負担を特定の地方自治体に押しつける
という決定を、国会の多数決だけで決めて言い訳がなく、憲法95条
に基づく住民投票が必要なのではないか?、という議論もあります。