2024年8月7日水曜日

広島県知事あいさつ 「現実主義者」の主張する核抑止論を論難


 昨日開催された広島の平和記念式典。広島県知事のあいさつがとても印象的
でした。


<知事あいさつ 全文>



●【全文】広島 湯崎知事「核廃絶 人類存続に差し迫った問題」 (NHK)



<一部引用>

 翻って現在も、世界中で戦争は続いています。強い者が勝つ。弱い者は踏み
にじられる。現代では、矢尻や刀ではなく、男も女も子供も老人も銃弾で撃ち
抜かれ、あるいはミサイルで粉々にされる。国連が作ってきた世界の秩序の
守護者たるべき大国が、公然と国際法違反の侵攻や力による現状変更を試みる。
それが弥生の過去から続いている現実です。

 いわゆる現実主義者は、だからこそ、力には力を、と言う。核兵器には、
核兵器を。しかし、そこでは、もう一つの現実は意図的に無視されています。
人類が発明してかつて使われなかった兵器はない。禁止された化学兵器も引き
続き使われている。核兵器も、それが存在する限り必ずいつか再び使われる
ことになるでしょう。
 私たちは、真の現実主義者にならなければなりません。核廃絶は遠くに掲げる
理想ではないのです。今、必死に取り組まなければならない、人類存続に関わる
差し迫った現実の問題です。

<引用終わり>


 今この瞬間も続く武器兵器を使っての殺戮を踏まえれば、「力には力で
対抗するしかない」と叫ぶ「現実主義者」の主張は必ず核兵器使用につながる、
という指摘に深く頷きます。