2024年11月5日火曜日

京都弁護士会 「選択的夫婦別姓(別氏)制度の導入を求める会長声明」

 京都弁護士会

「選択的夫婦別姓(別氏)制度の導入を求める会長声明」

<一部引用>
 1947年、日本国憲法の制定に伴う民法家族法部分の改正が行われ、
「家」制度は廃止され、氏は「個人の呼称」になった。ところが、氏を
同じくする夫婦が共同生活を営むという現実は変わらないとして、夫婦
同氏の原則は維持された。それが民法750条である。民法750条は
「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫または妻の氏を称する」
と定めて夫婦同氏を義務付け、これを受けて戸籍法74条1号は婚姻届に
その夫婦の氏を届け出ることを規定した。両規定の結果、夫婦が称する
氏を定めない限り、婚姻届は受理されないこととなった。
 すなわち、法的な「家」は廃止したものの、「家」の機能(家父長による
支配と社会政策の代替作用としての相互扶助等)を維持することで道徳的な
「家」を残存させるため、戸籍制度を維持し、親族間の扶養義務(730条、
877条2項)を付加し、夫婦同氏強制制度(750条)を新設するという、
不徹底な改正であった。日本国憲法の定める個人の尊重と両性の平等が徹底
されなかったのであり、いまだに家父長的な家族観・婚姻観や固定的な性別
役割分担意識が残存するのも、この不徹底の故と言うべきである。
<引用終わり>