陸上自衛隊の陸上幕僚監部ナンバー2にあたる陸上幕僚副長ら幹部
3人が、公用車を使用して靖国神社に参拝しました。実施計画の詳細に
ついての文書が防衛省内で作成され、公用車が使用されたとのこと。
私的な参拝であると主張し、防衛省も私的参拝と認定しましたが…
…「私的」💧?
疑問が拭えません。
(防衛省は、私的参拝にもかかわらず公用車を使用したことについて
訓戒の処分にしました。)
● 公用車で靖国神社参拝 陸上幕僚副長ら幹部3人 訓戒処分 防衛省 (NHK)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240126/k10014336581000.html
靖国神社は、単なる神社ではありません。
かつて日本陸軍・海軍の管理下にあり、天皇のために「忠義を尽くして」
戦死した軍人・軍属だけをまつる軍事的宗教施設であり、侵略の精神的支柱
として位置づけられてきた施設です。
そうした国家神道と決別し人権保障と戦争放棄を誓う国として再生した
戦後日本において、「政教分離(宗教と国家が距離を置くシステム)」は
信教の自由を保障する上ではとても重要です。これを安易に破る行為に
ついては、厳しく対処しなければなりません。
今回の参拝について、多くの批判の声があがっています。
まず、「日本カトリック正義と平和協議会」の抗議声明をご紹介いたし
ます。ぜひお読みください。
日本カトリック正義と平和協議会
「陸上自衛隊による靖国神社集団参拝に抗議し、
政教分離とシビリアンコントロールの原則の堅持を求めます」
https://www.cbcj.catholic.jp/2024/02/13/29094/
<一部引用>
自衛官は、自衛隊法施行規則39条に基づき「日本国憲法及び法令を遵守」
し「国民の負託にこたえる」服務にあずかる公務員であり、「国民全体の
奉仕者であり、国民の一部に対してのみの奉仕者ではないことを自覚し」
「常に公正な職務の執行に当たらなければならない」との「倫理規準」を
負う者です。そうした自衛官が、一宗教法人に過ぎないながら、戦前の国家
神道との密接なかかわりをもつ「靖国神社」をあたかも公務であるかのように
参拝することは、戦後の自衛隊のあり方から逸脱しています。また、参拝を
自衛官に強制するのであれば、自衛官個人の信教の自由を侵害することにも
つながります。
靖国神社は、戦前、戦中と天皇制軍国主義の精神的支柱としての役割を
果たして来ました。「国民主権、人権尊重、平和主義」を柱とする日本国
憲法のもとにある自衛隊が、この神社に組織として集団参拝することは、
憲法20条に定められた「政教分離」の原則に違反する行為であり、かつ、
国家が戦争を美化し、肯定し、国民が再び国家のために犠牲になることを
強いる道を開くことにつながりかねません。
<引用終わり>