2020年9月4日金曜日

岸田氏の写真、乙武氏の擁護



 自民党総裁(必然的に、次の首相)選に出馬した岸田氏は、ジェン
ダー平等をどう実現するか記者に問われても、「重大な問題です」的
なことしか答えず具体的な政策を語らなかったのは、単に関心が無く
て何も考えてなかったから、かもしれません。

 岸田氏がツイッターで発信した夕食時の写真が多くの批判にされら
れているのはご存知のとおりです。その後の記者会見で「家事は分担
している」と家庭内での夫婦平等をアピールしたとおり、たとえ実際
に平等に家事に取り組む夫婦だった、としても、あの写真を突然SN
Sで発信した場合、どう受け止められるか、ジェンダーに人並みの
問題意識があれば、NGであることに気づくはずです。
 それに気づけなかった、というところ、岸田氏のジェンダー観が、
やはり透けて見えます。

 
● 岸田氏の食事写真が話題 “時代錯誤”の声も、
      乙武氏は「他人の家庭に…違和感に強烈な違和感」(スポニチ)
 https://bit.ly/31V9Ryb




 岸田氏のジェンダー観そのものの問題もさることながら、この乙武氏の
コメントには仰天です。
 乙武氏「他人の家庭のあり方に対してここまで恥ずかしげもなく違和感
を表明できてしまう感性に、むしろ“強烈な違和感”を覚えました。」


 …は?

 政治家が総裁選に向けてアピールに使っている写真を批判して何が悪い
のか、理解に苦しみます。24条を含めた改憲を主張する人の家族観は、
極めて重大な関心事です。

 ジェンダー平等は家庭内でも実現できていなければならない、というの
が憲法24条のメッセージです。それを「いいじゃん、それぞれの家庭
ごとにちがっても」と“肝要に”受け流すのが乙武氏。人権の問題を相対的
に片づけてしまっていい、のなら、自由も平等も「個人の尊重」も絵に
描いた餅です。「それぞれの家庭ごとの自由です」と片付けてはならない
のが、人権であり平等です。

 男女平等にどこまでも無関心でいられる感性に、強烈な違和感を覚え
ます。