2017年6月8日木曜日

やや日めくり憲法67条(内閣総理大臣の指名)

日本国憲法 67条
  内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、
 これを指名する。この指名は、他のすべての案件に
 先だって、これを行ふ。


2 衆議院と参議院とが異なった指名の議決をした
 場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会
 を開いても意見が一致しないとき、又は衆議院が指名
 の議決をした後、国会休会中の期間を除いて十日以内
 に、参議院が、指名の議決をしないときは、衆議院の
 議決を国会の議決とする。



 67条は、行政の長である内閣総理大臣の選び方を定めています。

 1項は、まず、全ての案件に先立って、内閣総理大臣は国会議員の中から選ば
ないといけないと書いています。
 アメリカやお隣の韓国は国のトップである大統領を国民が直接選びますが、
日本は、国民の代表である国会が総理大臣を選ぶしくみです。

 大日本帝国憲法時代にも総理大臣はいましたが、国会が選ぶしくみではなく、
国会議員の中から選ぶ必要もありませんでした。
 そのため、帝国議会の多数党とは関係のない人や軍人が総理大臣に選ばれる
こともあり、民意を無視した政治が行われることがありました。

 日本国憲法では、選挙で選ばれた国会議員の中から総理大臣を選ぶことで、
間接的ですが、民意を行政にも反映させようとしているのです。

 次に2項は、衆議院と参議院とで違う人を総理大臣に指名したときに両院
協議会を開いても意見が一致しないときや、衆議院の指名後、国会休会中を
除いて10日以内に参議院が指名しないときには、衆議院が指名した人が総理
大臣になると書いています。

 このように、総理大臣の指名は衆議院の議決が優先されるため、政権を取る
には衆議院で多数をとれるかどうかにかかっています。
 衆議院の総選挙が「政権選択選挙」と言われるのはこのためです。
 解散は、政権の切り札。いつ解散総選挙があるかもしれません。
 どんな人が総理大臣に選ばれるかは、総選挙でどの政党が多数を取るかで
決まってきます。

 国会では、加計学園の問題で安倍首相がずっと野党から追及を受けてきました
が、まともな答弁をせず、説明責任を果たしていませんね。
 共謀罪法案でも政府・与党はまともに審議に応じませんでした。
 今国会で起こっていることを総選挙での判断材料にする、
 不誠実な答弁をした議員には投票しない。
 職務放棄した閣僚には投票しない。
 あの議員やあの議員が、「全国民の代表」としての仕事を果たさなかった。
 それを忘れない。

 それが、「不断の努力」ですね☆