再審無罪判決の言い渡しの際、裁判長は、袴田ひで子さんに裁判に
時間がかかったことを謝罪しました。刑事裁判における再審手続きの
ルールがほとんどなく極めて不公平(被告人に不利)という大問題に、
ぜひご注目下さい。
えん罪はだれにでも起きうることなので、ぜひ我が事として捉えて
ください。再審において検察にすべての証拠の開示を義務づけたり、
検察官抗告を禁止する再審法改正が急務です。国会では再審法改正に
賛同する超党派の議員連盟もあります。議員たちに今すぐにでも法改正
をするよう、ぜひ声をあげませんか。
■関弁連及び管内13弁護士会の共同声明
刑事訴訟法の再審規定(再審法)の速やかな改正を求める声明
<一部引用>
袴田さんに無罪が言い渡されるまでにこのような長期間を要したのは、
現行の再審手続に関する法律(刑事訴訟法第四編「再審」)(以下「再審
法」という。)に問題があるからと言わざるを得ない。
えん罪は、国家による最大の人権侵害の一つである。個人の尊厳を究極
の価値とする日本国憲法のもとでは、えん罪被害はあってはならないもの
である。
えん罪被害者を守る最後の砦が再審法において規定されている再審手続
である。しかし、現行の再審法の規定は、僅か19か条しかなく、再審
手続をどのように行うかは裁判所の広範な裁量に委ねられていることから、
再審請求手続の審理の適正さが制度的に担保されず、公平性も損なわれて
いる。
また、袴田事件のみならず過去の多くのえん罪事件において、警察や
検察庁といった捜査機関の手元にある証拠が再審段階で明らかになり、
えん罪被害者を救済するための大きな原動力となっているが、現行の再審法
においては、捜査機関の手元にある証拠を開示させる仕組みについて明文の
規定がなく、再審請求手続において証拠開示がなされる制度的保障がない。
そのため、裁判官や検察官の対応いかんで、証拠開示の範囲に大きな差が
生じているのが実情であり、これを是正するためには、証拠開示のルール
を定めた法律の制定が不可欠である。
さらに、再審開始決定がなされても、検察官がこれに不服申立てを行う
事例が相次いでおり、えん罪被害者の速やかな救済が妨げられている。…
<引用終わり>