刑事裁判も人が進めるものである以上、必ず誤判が生じます。
誤判による(えん罪)被害者を救済する最後の手段が再審です。
しかし日本の再審手続きには重大な欠陥があり、ほぼ「開かずの扉」
状態です。袴田巌さんやご家族の受けた仕打ちを「ひどい」と思う
方は、ぜひ再審法改正の必要性も知って下さい。
袴田事件は第1次再審請求の審理に約27年、第2次再審請求の審理
に約15年かかりました。こんなにも長期にわたった原因は、まず再審
法に手続規定がなく裁判所の裁量次第になっていること、そして再審
請求手続での証拠開示制度が存在しない(捜査機関が証拠を隠せてしまう)
という欠陥にあります。
また、静岡地裁の再審開始決定から再審公判が開かれるまで更に9年
7か月、無罪判決まで10年以上かかってしまいました。検察官が再審
開始決定に対して不服申立て(上訴)できるからです。欧米諸国では
再審開始決定に対する検察官上訴は禁止されています。日本でも禁止
すべきではないでしょうか。
参考までに、京都弁護士会と埼玉弁護士会の声明をご紹介します。
いずれも死刑の残虐性や再審法の不備などについて分かりやすく解説
しています。
■京都弁護士会 「袴田事件」の再審無罪判決を受けての会長声明
https://www.kyotoben.or.jp/pages_kobetu.cfm?id=10000572&s=seimei
■埼玉弁護士会
「袴田事件」無罪判決を受けて検察官の上訴権放棄と再審法改正を求める会長声明
https://www.saiben.or.jp/proclamation/001379.html