2025年8月6日水曜日

日本ペンクラブ なお続く、排外的言論の横行を懸念


 日本ペンクラブの緊急声明をご紹介します。

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「選挙が終わってもなお続く、排外的言論の横行を懸念します」

 https://japanpen.or.jp/




 「排外的言論、デマや差別扇動」が止まないことへの強い危機感、

またそれを許さない姿勢は企業にも求められていることを強く呼び

かけています。

 「当然、出版界も含む言論表現の世界でも問われていることがらです。

デマや差別扇動、排外的言論によって、この社会が後退し崩壊していく

ことを、看過することはできません。」というくだりは、具体名こそあげ

ていないものの、週刊新潮に掲載された高山正之氏のコラム「創氏改名2.0」

を念頭においていると推察されます。

 特定の人を名指しして(アイデンティティに深くかかわる)名前を誹謗し、

国籍・民族を理由に信頼できないかのような敵意をむける差別的な内容です。

 なぜこのような原稿が掲載されてしまったのか、反省と検証が不可欠です。

何度でも繰り返し 「抑止力」の話





 「抑止力によって平和が維持できる」とよく聞きますが、本当でしょうか。
「いざというときの報復の準備」を見せつけて威嚇することで、他国との
信頼関係が増すのでしょうか…??
 むしろ周辺国の不安を煽り、軍事的緊張を高めるのでは?
防衛体制の強化は、自ら戦争の危機を作る本末転倒なように思えます。
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 「抑止力による平和維持」は確実な方法でしょうか?
  どんなに強大な兵器をそろえても、「攻撃されたら倍返しで報復するぞ
(だから武力行使するな)」というメッセージが相手国に伝わらなかったり、
相手国が理性的に行動しなければ、抑止は失敗します。結局、相手国次第の
不安定・不確実なものです。

 例えば、太平洋戦争は勝算がないにもかかわらず、日本は自ら戦争の火ぶたを
切りました。アメリカの“抑止”が効かず、日本を抑え込めなかったといえます。
また、ロシアが侵略戦争に踏み切った上に、今現在も核兵器使用をちらつかせて
国際社会を脅かしているのは、“抑止”の失敗の表れではないでしょうか。

 「力には力で対抗するしかない」路線に転換して防衛体制の強化つまり軍拡に
乗り出せば、際限はありません。日本が周辺国の軍拡に“挑発”されて軍拡に乗り
出したのと同様、周辺国も日本の軍拡に刺激されて更に軍拡を進める“競争”に
なるからです。ひたすら不信感と敵意が煽られ、軍事的緊張が高まります。


 軍拡にはお金がかかります。つまり軍拡を進めると、予算調達のために増税や
福祉の切り捨てが進みます。増税はもちろん、医療、教育、保育、介護、年金etc、
国民の人間らしい生活の大切な土台が切り捨てられれば、どうにかやりくりして
いる市民生活には大打撃です。軍拡は自国の貧困の拡大を招きます。


 「力には力で対抗するしかない」路線を歩めば、必然的に核兵器保有を目指す
ことになります。ロシアや中国など核兵器を持つ大国に見せつける報復力を持ち
たい、という執心にとらわれれば、核兵器保有に行き着きます。それが人類社会に
おいてどれだけ「ありえない発想」かは、論じるまでもありません。


 そもそも日本に、いざとなれば戦争できる/続けられる体力・筋力はあるので
しょうか?
 石油・天然ガスなどの資源を輸入に依存する上に、食糧自給率も低く小麦・大豆
・とうもろこし・菜種油・家畜の飼料などの大部分を輸入に頼る国が、諸外国との
関係悪化で輸入の航路を塞がれたら?戦争以前の問題です。

 他国と関係が良好でないと到底生活を維持できない脆弱な国家に、他国との
「戦争」は非現実的です。憲法尊重擁護義務を負い、完全な人権保障を目指すべき
国会議員が、憲法9条にのっとり全力で戦争を回避することは、手間はかかっても、
最も合理的でコスパ良い選択可能な唯一の道ではないでしょうか。


 出口の見えない不況と貧困の拡大が広がり、現実に人権が脅かされている人が
多数いて、しかも少子化対策や児童手当には「財源が…」云々言って渋るのに、
際限のない軍拡には無条件に税金を注ぐって、お金の使い道が違いませんか?
本当に国民の命・健康・人権を守る気があるのか、国の姿勢が問われます。

 諸外国との関係悪化は、日本での国籍/民族差別やヘイトスピーチにつながり
ます。結局「抑止力」での脅し合い(際限ない軍拡)がもたらすのは貧困や差別
など「戦争の芽」ばかり。
 経済的にも、人権保障の観点からも、平和外交の努力を積み重ねて全力で戦争を
回避することが、一番現実的で合理的です。

日本被団協 被爆80年の声明をご紹介します

  広島原爆投下から80年。

 80年経っても癒えることのない苦しみや、いまだ核廃絶が叶わない
険しい道のりを思うと、言葉になりません。
 被爆80年にあたって日本被団協が発表された声明をご紹介します。
ぜひ全文をお読みください。
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<被爆80年を迎えるにあたって
   ヒロシマ・ナガサキを受け継ぎ、
     広げる国民的なとりくみをよびかけます>



 一部引用
 ↓ ↓ ↓

「唯一の戦争被爆国である日本政府はいまだTPNWに署名・批准しよう
とはしません。核保有国と非核保有国の「橋渡し」を担うとしていますが、
TPNWに参加しない日本への国際社会の信頼は低く、実効性のある責任を
果たすこととは程遠い状況にあります。アメリカの「核の傘」から脱却し、
日本はすみやかに核兵器禁止条約に署名・批准すべきです。

 原爆被害は戦争をひきおこした日本政府が償わなければなりません。
しかし、政府は放射線被害に限定した対策だけに終始し、何十万人という
死者への補償を拒んできました。被爆者が国の償いを求めるのは、戦争と
核兵器使用の過ちを繰り返さないという決意に立ったものです。国家補償
の実現は、被爆者のみならず、すべての戦争被害者、そして日本国民の
課題でもあります。」