安保法案の審議は、参議院特別委員会へと場を移しました。
そこで、日本共産党の小池晃議員が示した文書が、話題になっています。
その文書↓
これ、防衛省の内部文書なんですが、
今審議中の安保法案が8月に成立することになっていて(!?)、
安保法案の成立を待たないとできないとされていることについて、既に計画されていることがわかるものです。
1月にキーンエッジ(演習)。2月に法施行。PKOの9次隊が出発し、2月から新法制に基づき運用。と。
まだ決まってもいない、しかもこんなに意見が分かれて論争になっている法案の内容に沿って、自衛隊の配置計画を立てる…
アメリカと約束しているから、でしょうか?
「国会の議論なんてアリバイ。廃案なんて考えない。政府与党が成立といったら成立するんだから、それ前提で。とりま計画計画」
「それな♪」
と言わんばかりです。
中谷防衛相は「同じ表題の資料は存在する」(内容は同じなの?違うの?それとも「つまびらかにしていない」のかな?)、
最後には、「資料がいかなるものかコメントは差し控えたい」と答弁を拒否しました。
(法案成立後に検討すべきもの、とは認めました)
審議中断してもそのまま政府は答弁できなかったため、まだその日の質疑は終わっていないのに、
審議中断してもそのまま政府は答弁できなかったため、まだその日の質疑は終わっていないのに、
委員会が散会(終了)という異常事態に。
防衛省が、大臣に言われてなのか、言われてもいないのに勝手になのかはよくわからないけれど、
成立もしていない、憲法違反では?と議論が止まらない安保法案を勝手に先取りして、
どんどん計画を立ててしまっているということ。
「だって、成立してから計画してるんじゃ間に合わないじゃん」という人。
必要性だけで、物事のいい悪いを決めてはいけないのが、法治国家です。
どんなに必要性があっても、「許容性」(それをすることで、誰かが不当に困ったり、法に違反したりといった、不相当な結果が起こらないので許される、といえること)がないと、
「それやっていいよ」とはいえないのです。
泥棒された人が、3日後に街で泥棒が自分の物を持って歩いているのを見たからといって、
その物を実力で奪い返したり、ついでに「泥棒!」と鉄拳制裁を加えたりしてはいけないのですが(違法な自力救済)、
それは、目の前に盗まれた物(らしきもの)があって、それを取り返すという必要性はあっても、
本当にそれが盗まれた物かどうか客観的にわからないし、
そもそも、そういうことを認めてしまうと世の中しっちゃかめっちゃかになりかねない、ということで、
法は「そういうときは警察なり裁判所なりを使ってね」と言っているわけです。
日本は、「権力は憲法を守って政治をしなさい」と義務付けている立憲主義の国です。
いくら「必要だ!」と防衛省の皆さんが思っていたとしても、
国会をないがしろにして、勝手に計画などしていいものではありません。
(ちなみに、もし大臣の知らない間に、この計画がコッソリ作られていたのだとしたら、
それは「文民統制」(シビリアン・コントロール)違反です。
大臣の指示・命令もないのに、勝手に計画を進めているというのは、軍部の暴走とソックリです)
それに、この文書には
「軍軍間の調整所」という言葉が何回も出てきます。
自衛隊を「国防軍」と改めたい、というのは、自民党憲法草案の内容です。
防衛省さんは、安保法案だけではなく、自民党憲法草案の先取りまでしてしまったようです。
まぁ、元々安保法案自体、自民党憲法草案の先取りなわけですが…。
「必要(だと俺様が思う)から!」という理由で、憲法も国会もガン無視で突き進む政府。
そんな政府には、あすわかの鉄拳制裁…いや、言論による反撃が待っていますよ!